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新商品が売れない理由
新商品がなぜ売れないのか??
売れないつもりで新商品を作る人はいません。それでもヒット商品がなかなか出来ないという声を多く聞きます。

それにはいくつかの原因があります。少し整理してみましょう。

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そもそもヒット商品が偶然にしか生まれないと経営者があきらめていることが原因
社内に成功の定義がなく、何がヒット商品がわからない会社が多くあります。
偉い人が売れたといえばヒット商品、なんとなく売れたからヒット商品といった曖昧な定義ではなく、
10年以上トップシェアで売れ続けることといった定義を決め、意図的にそれを目指すようにしないとゆくゆく立ち行かなくなってしまします。
新商品の使命は「会社を経営するうえで原資となるもの」です。1年だけ売れるモノではなく、長く売れるモノが経営を安定させるのです。
あきらめずに10年間売れる新商品を「意図して」つくりましょう。
梅澤理論とキーニーズ法はそれができるのです。

経営の安定のために「売れる」商品開発を。

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ニーズに応えているのに売れない。なぜ??
商品化の会議で「ニーズはあるのか」という議論をすることはあると思います。でもそのニーズが「未充足」かどうかという議論はほとんどされません。
良くある商品開発は、世の中の売れているものを見て、「ニーズはあるのだから我が社もこれをつくろう」といってモノマネ商品をつくることです。
これは悪く言えば模造品、模倣品であり、良く言っても後発品、類似品です。
こういったMe too商品と言われる後発品は10年間シェアナンバーワンになる確立は低く、多くは3年程度で市場から消えていきます。
それをしっかりと理解できれば、モノマネ後発商品やMe too商品をつくるといったバカな発言はなくなることでしょう。
コカ・コーラ市場をうらやましいと思って、後発コーラをつくってもナンバーワン商品にはなれません。

ポイントは、未だ満たされていない「未充足」のニーズに応えることです。


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消費者に聞いたニーズでつくったのに売れない。なぜ??
ヘンリー・フォードが「もし顧客に、彼らの望むものを聞いたら、彼らは『もっと速い馬が欲しい』と応えていただろう」といった話があります。
顧客に欲しいものを聞いてもロングヒット商品ができる保証はありません。そもそも消費者は商品を見て初めて欲しいと思うのですから。
例えば、twitterで「こんな商品が欲しい」と言ったのをそのまま新商品にした企業があります。
残念ながら、一瞬話題になりましたが10年どころか数ヶ月の話題で終わってしまいました。
新商品開発は共創の時代といわれていますが、SNSで消費者がつぶやいたことをそのまま商品にするのは「共創」ではなく「注文品」です。
そのニーズを持つ人が、「多いのか」、「使う頻度が高いのか」、「そのニーズの問題は大きいのか」をしっかり企業側が判断して、
困っている消費者を助ける商品開発をしなければいけません。10個しか売れないも100万個売れるものも開発者、販売者の労力は同じなのですから。
消費者の発言を基に価値あるニーズ、つまり「多くの人が」、「かなりの頻度で困っていて」、
「ぜひとも解決したいと思っている」ような「強いニーズ」を探すのが企業の役目です。


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ニーズがあるのに消費者が買ってくれない。どうして??
すでに充足されたニーズ、すなわち、すでに満足してしまっているニーズに向けて商品をつくっても売れません。
多くの開発者が「ニーズがある」と感じているのは「市場で売れているからです。
すでに売れている商品がある市場は、消費者はその商品に満足しているので後発品が成功商品になるのは至難の業です。
こういった問題が起こる原因は、開発者が市場や商品を見て商品開発していることに由来しています。
商品を対象にして、商品開発をしてもよほどのことがない限り後発品の改良商品ができてしまいます。
商品は消費者の「未充足の強いニーズ」応えないと成功商品になる確率はとても低いのです。
だから、消費者の「欲しい」ニーズではなく、「したい」ニーズに応えなければ買いたいと思う商品はできにくいのです。

消費者の生活ニーズ、つまり「○○したい」に応える商品開発を。


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広告・宣伝をたくさんやって、ネットで評判もいいのに思ったより売れない。なぜ?
広告・宣伝が重要というマーケティングは高度経済成長期のマーケティングを言っても過言ではないでしょう。
現代に必要なのは、強い売りモノと言われる「商品」や「サービス」です。
売れないものは、どんなに広告・宣伝をやっても売れません。つまり、商品が売れるモノに仕上がっているかどうかが重要なのです。
基礎的な「商品力」が高くなければ、はじめから売れないことが決まっているも同然なのです。
莫大な広告費用をかけても、有名なタレントを使っても、売れないものは売れない。はじめから売れるモノに仕上げるのが企画者の一義的責任なのです。
ヒット商品番付の商品の多くは翌年消えています。流行に流されると1年で消えるヒット商品ができます。
普遍のニーズに応えると10年以上売れるロングヒット商品ができます。どうせつくるなら長期間、売上と利益を生むほうがいいですね。

商品が売れるかどうかは、「商品の力」で決まります。売れる商品コンセプトが出来なければヒット商品はできません。


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発売直後は売れたけど、どんどん売れ行きが落ちていく。なにがいけないの?
商品コンセプトが良いと消費者が初回購入してくれます。しかし、商品パフォーマンス(性能)がよくないと再購入してくれません。
この商品コンセプトと商品パフォーマンスの関係をC/P(シーピー)バランスと呼んでいます。
初回購入が良い場合は商品コンセプトの評価が良いと考えられます。そのうえで再購入されないのは商品パフォーマンスがよくないからです。
期待に応える商品パフォーマンスが実現されていないと購入+リピートのサイクルがうまく機能しません。
サンスタートニックシャンプーなど50年も売れ続ける商品はこのC/Pがとても良い商品です。

商品開発は必ずC/Pバランスのよい商品づくりを。


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売れる商品づくりをしたのだけれど、ロングヒットにはならなかった。何が原因?
ニーズやC/Pに気配りして最高の商品をつくってもロングヒットにならない。こういったことはよくあることです。
出来る限り長く、例えば10年以上売れる商品にするには市場をつくることが最善です。
キーニーズ法のシステマティックな商品開発プロセスは必然的に新市場をつくる商品コンセプトを生み出しますが、
もっとも注意すべきところとして「新カテゴリー名」の考案です。
ロングヒットの条件のひとつに「新市場をつくったかどうか」があります。
市場の大小にかかわらず「新市場をつくること」を目指す商品開発が成功の秘訣なのです。
新市場ができるような商品は、消費者にとってもはじめて見る商品であることが多いのです。
だからこそ「何であるか」がわかりやすく語られる「新カテゴリー名」の命名はとても重要なのです。
カビキラーの新カテゴリー名は「カビ取り剤」です
「カビ取り剤」といえば「カビキラー」と言われるようになると広告・宣伝をしなくても消費者が想起、購入してくれるようになります。

秀逸な商品ができたら、秀逸な「新カテゴリー名」をつけよう。


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